【実録】400万円の指値に成功|築古を見送り、築浅アパートで個人名義の1棟目を決めた理由
はじめに|ついに、1棟目の購入を決断した。
FIRE戦略の中でも、最大のレバレッジが効くのが不動産投資です。
その起点となる「1棟目のアパート購入」。私はいま、まさにその最前線にいます。
不動産投資を始めたい──そう考えてから何年も経ちました。
築古・高利回りを夢見て現地調査を重ねるも、なかなか買うには踏み切れない物件ばかり。
そんな中、方向転換して築浅アパートにシフトしたことで、現実的な一棟目と向き合うことができました。
本記事では、「築古から築浅へ」「出会いから買付まで」「600万円の価格交渉のリアル」をすべて公開します。
サラリーマンである私が、忙しい日常の中でどのように意思決定し、行動したか。リアルなFIRE戦略の一歩を、ぜひご覧ください。
第1章|築古高利回りを求めたが、現実は厳しかった
不動産投資の情報を集める中で、誰もが一度は惹かれるのが「築古・高利回り」の戦略です。
私も例にもれず、表面利回り10%を超える築30年オーバーの物件を中心に調査していました。
週末には現地に足を運び、10棟以上を見て回りました。
しかし、見れば見るほど「これは本業を続けながら管理できるものではない」と痛感するようになりました。
・雨漏り跡のある天井
・外壁クラックの放置
・再建築不可/接道問題/私道持分なしなどの法的リスク
・修繕履歴が不明確で、次に何が起きるか分からない不安感
これらの物件は確かに高利回りですが、それ以上に「管理と資金繰りの地獄」が待っていると直感。
サラリーマンである私には、そこに全力を注げるだけの時間も体力もありませんでした。
こうして、私は「築古高利回り」路線から一度距離を置くことにしました。
第2章|築浅を選んだ3つの決定打
方向転換して築浅物件を探し始めた理由は、大きく分けて3つあります。
① 本業を抱えるサラリーマンには“安定運営”が最重要
修繕・トラブル・空室などの突発対応が日常的に発生する築古物件では、気が休まりません。
一方、築浅であれば設備トラブルも少なく、入居者の質も安定しやすい。
忙しい日常に“負荷をかけない運営”こそが、自分にとっての最適解だと考えました。
② 拡大戦略に必要な「信用力」が得られる
金融機関にとっても築浅物件の評価は高く、1棟目で築浅を買うことが、2棟目以降の融資に直結します。
実績・属性・資産背景が見える“見栄えの良い一棟目”を手に入れておくことで、法人化や信用拡大がしやすくなるのです。
③ とにかく早く“経験値”を積みたかった
投資は、机上の計算ではなく、「運用してこそ見えるもの」があります。
減価償却や青色申告、入退去対応、修繕判断──これらを体験することで、次のステージに進めると思ったのです。
「まだ早い」より「まずやる」姿勢を選びました。
第3章|楽待で出会った築浅アパート|数字と現地で見えた“買える条件”
築浅路線にシフトしてからは、「楽待」や「健美家」で検索条件を絞って物件を探す日々が続きました。
主な条件は以下の通りです:
- 築10年以内
- 利回り8%前後
- 鉄骨 or 木造2階建て
- 10戸前後
- 管理・修繕状態が明確な物件
ある日、「楽待」で1件の物件が目に留まりました。
築8年・木造2階建て・10世帯のアパートで、間取りは1R+1LDK混合型。
初回の掲載価格は6,600万円(表面利回り8.18%)。条件に近いものの、やや慎重になっていた私はいったん様子を見ることにしました。
数日後、その価格が6,400万円(表面利回り8.44%)に変更されたのを確認。
一気に条件に合致したため、すぐに資料を請求し、内見を申し込みました。
現地で対応してくれた不動産業者の方は非常に丁寧で、物件状態や近隣環境を詳しく説明してくれました。
外観の清潔感、駐車場の整備状況、共用部の管理状態などを確認し、「これは買える」と感じました。
さらに、内見中にこんな情報がもたらされました。
「売主様が7月中に売却を希望しているそうです。価格も柔軟に相談できる可能性があります」
この瞬間、私は「これは勝負をかけるタイミングだ」と直感しました。
価格は下がり、売主も売却を急いでいる。これは、買付を入れるチャンスです。
帰宅後すぐに、融資シミュレーションと買付戦略をまとめ、実行に移す準備を始めました。
第4章|買付と交渉の舞台裏|6400万→6200万に至る価格決定のリアル
内見後、自宅に戻ってからはすぐに購入判断のシミュレーションに取りかかりました。
表面利回り・想定キャッシュフロー・融資条件に加え、現地で得た情報と不動産業者からの補足も含めて、より現実的な視点で検討を行いました。
物件には、ひとつだけ気になる点がありました。
過去に一人暮らしの中年男性が室内で亡くなっていたという事実です。
発見は早く、すでに清掃・消毒・クロス張り替え済みで、通常の取引では「心理的瑕疵あり」と明示する必要すらないレベル。
しかし、売主側が後々のトラブルを避けるためにあえて公開しているとのことで、私はこの誠実な姿勢にむしろ好感を持ちました。
また、自身の投資方針としても、物件全体の稼働や将来的な出口戦略に大きな支障はないと判断しています。
もうひとつ、将来的に見込まれる共用部の修繕費も指値の理由になりました。
実際に内見した際、共用部天井の塗装が剥がれかけている箇所があり、不動産業者からは「今後数年のうちに外壁塗装が必要になるでしょう」との説明。
建物全体の外壁塗装にかかる費用は約300万円前後と見積もられ、それも含めて長期的な修繕プランを立てる必要があると認識しました。
こうした背景を踏まえ、私は6,000万円で買付を提出。
初回掲載価格が6,600万円(表面利回り8.18%)だったことを考えれば、かなり攻めた指値です。
ただし、以下の2つの理由を添えたことで、指値の説得力を担保できたと感じています:
- ・心理的瑕疵の開示あり(実害なしだが価格交渉の論拠にはなる)
- ・将来的な外壁修繕コスト(約300万円)の見込み
数日後、不動産業者から返答が届きました。
「売主様より『6,200万円であれば売却可能』との回答をいただきました」
指値は通りませんでしたが、最終価格として6,200万円(表面利回り8.71%)は十分に魅力的。
キャッシュフローも月9万円程度が見込める想定で、今後の融資実績づくりとしても最適な一棟目と判断しました。
今回の交渉を通じて、私は「現地で見たこと・聞いたこと・感じたこと」を根拠にした指値がいかに有効かを学びました。
ネット上の数字だけでは見えない物件の「本質」に近づけるのは、やはり自分の足と目と耳だと実感しています。
第5章|まだ不安はある。それでも踏み出す理由
正直、不安がないといえば嘘になります。
・この価格は妥当なのか?
・築浅でも修繕は本当に軽く済むのか?
・キャッシュフローが想定より出なかったらどうするか?
不動産投資には、未知の要素がつきものです。
それでも、私は今回の購入を「一歩目として価値のある選択」だと感じています。
高利回りにこだわらず、「管理負担が少なく、安定収益が得られる物件」から始めることで、投資リスクを抑えつつ経験値を積むことができるからです。
今後はこの一棟目を通じて、減価償却による節税効果や運営実績の積み上げを進めながら、
2棟目以降の法人化・築浅高CF戦略へとつなげていくつもりです。
完璧な物件は存在しません。
だからこそ、「買えるときに、買える理由を持って踏み出すこと」が、何より重要だと実感しています。
おわりに|この一棟目が、FIREへの第一歩になる
今回の物件購入は、金額だけ見れば決して小さくはない判断でした。
しかし、投資とは「資金を動かすこと」ではなく、「自分の人生にレバレッジをかけること」だと考えています。
今後は、この物件から得られる収益と運用経験を活かして、さらに戦略的な資産拡大を目指します。
そして、この記録が「まだ1棟も買えていない」あなたの背中を、ほんの少しでも押せたなら嬉しく思います。
次回は「融資戦略編」として、3つの金融機関を比較し、最終的にどこを選んだのかを詳しく解説予定です。
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📩 編集後記・お知らせ
今後は以下のような記事を順次公開予定です:
・【融資戦略編】3銀行を比較して“最適条件”を選んだ話
・【購入後レポート】家賃収入・管理費・税金のリアルな内訳
・【法人化戦略】2棟目は法人で築浅高CFアパートを狙う
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