『DIE WITH ZERO』書評|FIREを目指すなら一度は読むべき「お金の終わらせ方」
この本を選んだ理由
FIREを目指して資産形成に励んでいると、つい「もっと貯めたい」「もっと増やしたい」という思考に偏りがちです。
でもふと立ち止まって、「自分はこのお金をいつ・何に使いたいのか?」「貯めることが目的になっていないか?」と自問する瞬間がありました。
そんなときに出会ったのが、ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』。この本の主張はシンプルですが衝撃的でした。
「人生の最適解は、死ぬときにちょうどお金を使い切ること」
この一文に惹かれて、すぐに読了。その内容は、FIREを目指すすべての人に深く刺さるメッセージの連続でした。
要点3つまとめ
- 人生の時間には“経験の最適なタイミング”がある
若い頃にしかできない体験、40代にしかできない体験、老後にふさわしい体験がある。
つまり「お金を使う最適なタイミング」は年齢によって変わる。時間と健康の有限性を強く意識せよ。 - 貯金の最大化より「人生の思い出の最大化」を
人は死ぬとき、通帳の残高ではなく「どんな人生だったか」を思い出す。
そのためにお金を貯めるのではなく、経験という“人生の配当”を最大化するためにお金を使うべきだ。 - 死ぬときにゼロが最適解(DIE WITH ZERO)
老後に備えてお金を残しすぎると、時間と健康が足りなくなる。
「貯めすぎのリスク」にも目を向け、人生を通じて“使い切る計画”を立てることが重要。
実体験とリンクした学び
私自身、いまFIREを目指して資産形成を進めています。
月間キャッシュフロー100万円、資産1億円を5年で達成する計画を立て、株式投資・不動産投資を両輪で回しています。
でも、『DIE WITH ZERO』を読んで、ある意味「冷や水を浴びせられた感覚」がありました。
- 目標に集中するあまり、「今」の楽しさを後回しにしていた
- 子どもとの時間や体験を、もっと意識的に設計すべきだった
- 「人生は有限」「健康も有限」という当たり前を忘れていた
特に、30〜40代での旅行や体験を「老後に回そう」としていた自分の発想に危機感を覚えました。
FIREは手段であって、目的ではない。
FIREの先にあるのは「時間をどう使い、誰と生きるか」という問い。
この本は、その本質に立ち返らせてくれる名著です。
感想:この本の良かった点・イマイチだった点
✅ 良かった点
- 投資家やFIRE志向の人にこそ響く「貯めすぎるリスク」の提起
- 行動変容を促すエピソードと実例がリアル
- 「人生の時間価値」を数式で示す論理性
❌ イマイチな点
- 一部、日本の社会保障制度と合わない前提(医療・年金など)
- 節約が美徳とされる日本文化とはギャップあり(だが逆に新鮮)
こんな人におすすめ
- FIREを目指しているが、今の生活に楽しみが少ないと感じている人
- 老後の不安ばかりが先行し、「お金を使うこと」に抵抗がある人
- 「いつ・何に・誰とお金を使うか?」を見直したい人
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最後に
この本は「貯めるな」という本ではありません。
貯めたお金を、最大限“生きたお金”にするためにどう使うか?
その問いを突きつけてくる一冊です。
FIREを目指すすべての人が、ゴール設計を見直すきっかけとして読むべき本だと、心から思います。